○八潮市犯罪被害者等支援条例

令和7年3月19日

条例第1号

(目的)

第1条 この条例は、犯罪被害者等基本法(平成16年法律第161号。以下「法」という。)の趣旨にのっとり、犯罪被害者等の支援に関し、基本理念を定め、並びに市、市民等及び事業者の責務を明らかにするとともに、犯罪被害者等の支援に関する施策の基本となる事項を定め、当該施策を総合的かつ計画的に推進することにより、犯罪被害者等の権利利益の保護並びに被害の軽減及び回復を図り、もって犯罪被害者等が安心して暮らすことができる地域社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 犯罪等 法第2条第1項に規定する犯罪等をいう。

(2) 犯罪被害者等 法第2条第2項に規定する犯罪被害者等をいう。

(3) 二次的被害 犯罪等による直接的な被害を受けた後に、風評、誹謗ひぼう中傷、報道機関(報道を業として行う個人を含む。)による過度な取材等により、犯罪被害者等が受ける精神的な苦痛、身体の不調、プライバシーの侵害その他の被害をいう。

(4) 関係機関等 国、埼玉県その他の関係機関及び犯罪被害者等の支援を行う民間の団体その他の犯罪被害者等の支援に関係するものをいう。

(5) 市民等 市内に住む者又は市内で働く者、学ぶ者若しくは市内において活動を行う個人若しくは団体をいう。

(6) 事業者 市内において事業を行う個人又は法人その他の団体をいう。

(基本理念)

第3条 全ての犯罪被害者等は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有する。

2 犯罪被害者等の支援は、被害の状況及び原因、二次的被害の状況等の犯罪被害者等が置かれている状況その他の事情に応じて適切に行われなければならない。

3 犯罪被害者等の支援は、犯罪被害者等が被害を受けたときから再び平穏な生活を営むことができるようになるまでの間、途切れることなく受けることができるようにしなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、関係機関等との適切な役割分担を踏まえて、犯罪被害者等の支援に関する施策を策定し、及び実施するものとする。

2 市は、前項の施策を円滑に実施することができるよう関係機関等と相互に連携及び協力を図るものとする。

(市民等の責務)

第5条 市民等は、基本理念にのっとり、犯罪被害者等が置かれている状況及び犯罪被害者等の支援の必要性についての理解を深め、二次的被害が生ずることのないよう十分配慮するとともに、市及び関係機関等が行う犯罪被害者等の支援に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、基本理念にのっとり、犯罪被害者等が置かれている状況及び犯罪被害者等の支援の必要性についての理解を深め、事業を行うに当たっては、二次的被害が生ずることのないよう十分配慮するとともに、市及び関係機関等が行う犯罪被害者等の支援に関する施策に協力するよう努めるものとする。

2 事業者は、犯罪被害者等が平穏な生活を取り戻すために必要な各種の手続に適切に関与することができるよう、犯罪被害者等の就労及び勤務について十分配慮するよう努めるものとする。

(相談及び情報の提供等)

第7条 市は、犯罪被害者等が日常生活及び社会生活を円滑に営むことができるよう、犯罪被害者等が直面している問題について相談に応じ、必要な情報の提供及び助言を行うとともに、関係機関等との連絡及び調整を行うものとする。

2 市は、犯罪被害者等の支援に関する相談に応じるとともに、必要な情報の提供及び助言を総合的に行うための窓口を設置するものとする。

(見舞金の支給)

第8条 市は、犯罪被害者等が受けた被害による経済的負担の軽減を図るため、犯罪被害者等に対し、見舞金の支給を行うものとする。

2 見舞金の支給の対象となる者、見舞金の額その他見舞金の支給に関し必要な事項は、規則で定める。

(日常生活の支援)

第9条 市は、犯罪被害者等が早期かつ円滑に平穏な日常生活を営むことができるよう必要な施策を講ずるものとする。

(安全の確保)

第10条 市は、犯罪被害者等が更なる犯罪等による被害又は二次的被害を受けることを防止し、その安全を確保するため、犯罪被害者等に係る個人情報の適切な取扱いの確保その他の必要な施策を講ずるものとする。

(市民等及び事業者の理解の増進)

第11条 市は、犯罪被害者等が日常生活及び社会生活を円滑に営むことができ、かつ、二次的被害を受けることのないよう、犯罪被害者等が置かれている状況及び犯罪被害者等の支援の必要性について市民等及び事業者の理解を深めるため、情報の提供、啓発活動その他の必要な施策を講ずるものとする。

(人材の育成)

第12条 市は、犯罪被害者等の支援の充実を図るため、犯罪被害者等の支援を担う人材を育成するための研修の実施その他の必要な施策を講ずるものとする。

(委任)

第13条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、市長が別に定める。

(施行期日)

1 この条例は、令和7年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 第8条の規定は、この条例の施行の日以後に行われた犯罪等により被害を受けた者について適用する。

八潮市犯罪被害者等支援条例

令和7年3月19日 条例第1号

(令和7年4月1日施行)