○八潮市学童保育の設備及び運営に関する基準を定める条例
平成26年9月22日
条例第22号
(趣旨)
第1条 この条例は、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第34条の8の2第1項の規定に基づく放課後児童健全育成事業(以下「学童保育」という。)の設備及び運営に関する基準(以下「最低基準」という。)を定めるものとする。
(最低基準の目的)
第2条 最低基準は、学童保育を利用している児童(以下「利用者」という。)が、明るく衛生的な環境において、素養があり、かつ、適切な訓練を受けた職員が支援することにより、心身ともに健やかに育成されることを保障するものとする。
(最低基準の向上)
第3条 市長は、児童の保護者その他児童福祉に係る当事者の意見を聴き、その監督に属する学童保育を行う者(以下「学童保育事業者」という。)に対し、最低基準を超えて、その設備及び運営を向上させるように勧告することができる。
2 市は、最低基準を常に向上させるように努めるものとする。
(最低基準と学童保育事業者)
第4条 学童保育事業者は、最低基準を超えて、常にその設備及び運営を向上させなければならない。
2 学童保育事業者は、最低基準を超えて、設備を有し、又は運営をしている場合には、最低基準を満たしていることを理由として、その設備又は運営を低下させてはならない。
(学童保育事業者の一般原則)
第5条 学童保育における支援は、小学校に就学している児童であって、その保護者が労働等により昼間家庭にいないものにつき、家庭、地域等との連携の下、発達段階に応じた主体的な遊びや生活が可能となるよう、当該児童の自主性、社会性及び創造性の向上、基本的な生活習慣の確立等を図り、もって当該児童の健全な育成を図ることを目的として行われなければならない。
2 学童保育事業者は、利用者の人権に十分配慮するとともに、一人一人の人格を尊重して、その運営を行わなければならない。
3 学童保育事業者は、地域社会との交流及び連携を図り、児童の保護者及び地域社会に対し、当該学童保育事業者が行う学童保育の運営の内容を適切に説明するよう努めなければならない。
4 学童保育事業者は、その運営の内容について、自ら評価を行い、その結果を公表するよう努めなければならない。
5 学童保育を行う場所(以下「学童保育所」という。)の構造設備は、採光、換気等利用者の保健衛生及び利用者に対する危害防止に十分な考慮を払って設けられなければならない。
(学童保育事業者と非常災害対策)
第6条 学童保育事業者は、軽便消火器等の消火用具、非常口その他非常災害に必要な設備を設けるとともに、非常災害に対する具体的な計画を立て、これに対する不断の注意と訓練をするように努めなければならない。
2 前項の訓練のうち、避難及び消火に対する訓練は、定期的に行わなければならない。
(安全計画の策定等)
第6条の2 学童保育事業者は、利用者の安全の確保を図るため、学童保育所ごとに、当該学童保育所の設備の安全点検、職員、利用者等に対する学童保育所外での活動、取組等を含めた学童保育所での生活その他の日常生活における安全に関する指導、職員の研修及び訓練その他学童保育所における安全に関する事項についての計画(以下この条において「安全計画」という。)を策定し、当該安全計画に従い必要な措置を講じなければならない。
2 学童保育事業者は、職員に対し、安全計画について周知するとともに、前項の研修及び訓練を定期的に実施しなければならない。
3 学童保育事業者は、利用者の安全の確保に関して保護者との連携が図られるよう、保護者に対し、安全計画に基づく取組の内容等について周知しなければならない。
4 学童保育事業者は、定期的に安全計画の見直しを行い、必要に応じて安全計画の変更を行うものとする。
(令5条例9・追加)
(自動車を運行する場合の所在の確認)
第6条の3 学童保育事業者は、利用者の学童保育所外での活動、取組等のための移動その他の利用者の移動のために自動車を運行するときは、利用者の乗車及び降車の際に、点呼その他の利用者の所在を確実に把握することができる方法により、利用者の所在を確認しなければならない。
(令5条例9・追加)
(職員の一般的要件)
第7条 学童保育において利用者の支援に従事する職員は、健全な心身を有し、豊かな人間性と倫理観を備え、児童福祉事業に熱意のある者であって、できる限り児童福祉事業の理論及び実務について訓練を受けたものでなければならない。
(学童保育事業者の職員の知識及び技能の向上等)
第8条 学童保育事業者の職員は、常に自己研鑽に励み、児童の健全な育成を図るために必要な知識及び技能の修得、維持及び向上に努めなければならない。
2 学童保育事業者は、職員に対し、その資質の向上のための研修の機会を確保しなければならない。
(設備の基準)
第9条 学童保育事業者は、学童保育所に遊び及び生活の場としての機能並びに静養するための機能を備えた区画(以下この条において「専用区画」という。)を設けるほか、支援の提供に必要な設備及び備品等を備えなければならない。
2 専用区画の面積は、利用者1人につきおおむね1.65平方メートル以上でなければならない。
4 専用区画等は、衛生及び安全が確保されたものでなければならない。
(学童保育指導員及び補助員)
第10条 学童保育事業者は、学童保育所ごとに、放課後児童支援員(以下この条において「学童保育指導員」という。)を置かなければならない。
2 学童保育指導員は、次の各号のいずれかに該当する者であって、都道府県知事又は地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の19第1項の指定都市の長が行う研修を修了したもの(学童保育指導員として採用された日から2年以内に当該研修を修了することを予定している者を含む。)でなければならない。
(1) 保育士の資格を有する者
(2) 社会福祉士の資格を有する者
(4) 教育職員免許法(昭和24年法律第147号)第4条に規定する免許状を有する者
(5) 学校教育法の規定による大学(旧大学令(大正7年勅令第388号)による大学を含む。次号において同じ。)において、社会福祉学、心理学、教育学、社会学、芸術学若しくは体育学を専修する学科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者
(6) 学校教育法の規定による大学において、社会福祉学、心理学、教育学、社会学、芸術学若しくは体育学を専修する学科又はこれらに相当する課程において優秀な成績で単位を修得したことにより、同法第102条第2項の規定により大学院への入学が認められた者
(7) 学校教育法の規定による大学院において、社会福祉学、心理学、教育学、社会学、芸術学若しくは体育学を専攻する研究科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者
(8) 外国の大学において、社会福祉学、心理学、教育学、社会学、芸術学若しくは体育学を専修する学科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者
(9) 高等学校卒業者等であり、かつ、2年以上学童保育に類似する事業に従事した者であって、市長が適当と認めたもの
(10) 5年以上学童保育に従事した者であって、市長が適当と認めたもの
3 学童保育指導員の数は、支援の単位ごとに3人以上とし、かつ、利用者10人当たり1人以上としなければならない。ただし、そのうちの1人を除き、補助員(学童保育指導員を補助する者をいう。第6項において同じ。)をもってこれに代えることができる。
4 前項の支援の単位は、学童保育事業おける支援であって、その提供が同時に一又は複数の利用者に対して一体的に行われるものをいう。
5 一の支援の単位を構成する利用者の数は、おおむね40人以下とする。
6 学童保育指導員及び補助員は、支援の単位ごとに専ら当該支援の提供に当たる者でなければならない。ただし、利用者が20人未満の学童保育所であって、学童保育指導員のうち1人を除いた者又は補助員が同一敷地内にある他の事業所、施設等の職務に従事している場合その他の利用者の支援に支障がない場合は、この限りでない。
(令2条例11・一部改正)
(利用者を平等に取り扱う原則)
第11条 学童保育事業者は、利用者の国籍、信条又は社会的身分によって、差別的取扱いをしてはならない。
(虐待等の禁止)
第12条 学童保育事業者の職員は、利用者に対し、児童福祉法第33条の10各号に掲げる行為その他当該利用者の心身に有害な影響を与える行為をしてはならない。
(業務継続計画の策定等)
第12条の2 学童保育事業者は、学童保育所ごとに、感染症や非常災害の発生時において、利用者に対する支援の提供を継続的に実施するための、及び非常時の体制で早期の業務再開を図るための計画(以下この条において「業務継続計画」という。)を策定し、当該業務継続計画に従い必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
2 学童保育事業者は、職員に対し、業務継続計画について周知するとともに、必要な研修及び訓練を定期的に実施するよう努めなければならない。
3 学童保育事業者は、定期的に業務継続計画の見直しを行い、必要に応じて業務継続計画の変更を行うよう努めるものとする。
(令5条例9・追加)
(衛生管理等)
第13条 学童保育事業者は、利用者の使用する設備、食器等又は飲用に供する水について、衛生的な管理に努め、又は衛生上必要な措置を講じなければならない。
2 学童保育事業者は、学童保育所において感染症又は食中毒が発生し、又はまん延しないように、職員に対し、感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための研修並びに感染症の予防及びまん延の防止のための訓練を定期的に実施するよう努めなければならない。
3 学童保育事業者は、学童保育所に必要な医薬品その他の医療品を備えるとともに、それらの管理を適正に行わなければならない。
(令5条例9・一部改正)
(運営規程)
第14条 学童保育事業者は、学童保育所ごとに、次に掲げる事業の運営についての重要事項に関する規程を定めておかなければならない。
(1) 事業の目的及び運営の方針
(2) 職員の職種、員数及び職務の内容
(3) 開所している日及び時間
(4) 支援の内容及び当該支援の提供につき利用者の保護者が支払うべき額
(5) 利用定員
(6) 通常の事業の実施地域
(7) 事業の利用に当たっての留意事項
(8) 緊急時等における対応方法
(9) 非常災害対策
(10) 虐待の防止のための措置に関する事項
(11) その他事業の運営に関する重要事項
(学童保育事業者が備える帳簿)
第15条 学童保育事業者は、学童保育所ごとに、職員、財産、収支及び利用者の処遇の状況を明らかにする帳簿を整備しておかなければならない。
(秘密保持等)
第16条 学童保育事業者の職員は、正当な理由がなく、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らしてはならない。
2 学童保育事業者は、職員であった者が、正当な理由がなく、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らすことがないよう、必要な措置を講じなければならない。
(苦情への対応)
第17条 学童保育事業者は、その提供した支援に関する利用者又はその保護者等からの苦情に迅速かつ適切に対応するため、苦情を受け付けるための窓口を設置する等の必要な措置を講じなければならない。
2 学童保育事業者は、その提供した支援に関し、市から指導又は助言を受けた場合には、当該指導又は助言に従って必要な改善を行わなければならない。
3 学童保育事業者は、社会福祉法(昭和26年法律第45号)第83条に規定する運営適正化委員会が行う同法第85条第1項の規定による調査にできる限り協力しなければならない。
(1) 小学校の授業の休業日に行う学童保育 午前8時から午後6時30分まで
(2) 小学校の授業の休業日以外の日に行う学童保育 授業その他の小学校の活動が終了した時から午後6時30分まで
2 学童保育事業者は、学童保育所を開所する日数について、1年につき250日以上を原則とし、児童の保護者の就労日数、小学校の授業の休業日その他の状況等を考慮して、学童保育を行う事業所ごとに定める。
(保護者との連絡)
第19条 学童保育事業者は、常に利用者の保護者と密接な連絡をとり、当該利用者の健康及び行動を説明するとともに、支援の内容等につき、その保護者の理解及び協力を得るよう努めなければならない。
(関係機関との連携)
第20条 学童保育事業者は、市、児童福祉施設、利用者の通学する小学校等関係機関と密接に連携して利用者の支援に当たらなければならない。
(事故発生時の対応)
第21条 学童保育事業者は、利用者に対する支援の提供により事故が発生した場合は、速やかに市、当該利用者の保護者等に連絡を行うとともに、必要な措置を講じなければならない。
2 学童保育事業者は、利用者に対する支援の提供により賠償すべき事故が発生した場合は、速やかに損害を賠償しなければならない。
(暴力団の排除)
第22条 市及び学童保育事業者は、八潮市暴力団排除条例(平成25年条例第8号)第3条に規定する基本理念にのっとり、学童保育から暴力団を排除するために必要な措置を講ずるものとする。
2 学童保育事業者及びその職員は、次の各号のいずれかに該当する者であってはならない。
(1) 暴力団(八潮市暴力団排除条例第2条第1号に規定する暴力団をいう。)
(2) 暴力団員(八潮市暴力団排除条例第2条第2号に規定する暴力団員をいう。)
(3) 暴力団関係者(八潮市暴力団排除条例第2条第3号に規定する暴力団関係者をいう。)
(委任)
第23条 この条例に定めるもののほか、学童保育の設備及び運営に関する基準に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、子ども・子育て支援法及び就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成24年法律第67号)の施行の日から施行する。
(八潮市立学童保育所条例の一部改正)
3 八潮市立学童保育所条例(平成3年条例第35号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略
附則(令和2年条例第11号)
この条例は、令和2年4月1日から施行する。
附則(令和5年条例第9号)
(施行期日)
1 この条例は、令和5年4月1日から施行する。
(安全計画の策定等に係る経過措置)
2 この条例の施行の日から令和6年3月31日までの間、第6条の2第1項から第3項までの規定の適用については、同条第1項中「講じなければ」とあるのは「講ずるよう努めなければ」と、同条第2項中「実施しなければ」とあるのは「実施するよう努めなければ」と、同条第3項中「周知しなければ」とあるのは「周知するよう努めなければ」とする。