相続税・贈与税納税猶予制度関係
更新日:2024年9月2日
租税特別措置法により相続税及び贈与税の納税猶予制度があります。
これは一定の条件を満たした場合、発生した相続税及び贈与税の納税が猶予される制度です。
この特例を受ける場合には、農業委員会の適格者証明を必要とし、税の申告期限までに税務署に申告しなければいけません。
注記:ただし、納税猶予が適用中に以下のような行為を行うと、納税猶予の全部または一部が打ち切りとなり、猶予されていた税額に加え、利子税も併せて納めなくてはならない場合があるのでご注意ください。
<納税猶予の全部または一部が打ち切りになる場合の一例>
- 特例農地等の譲渡、贈与、転用、賃貸借等の設定(注記:一部例外あり)を行った場合
- 農業相続人(受贈者)が農業経営を廃止した場合
- 3年ごとの継続届出書の提出がなかった場合
- 税務署長の増担保または担保の変更命令に応じなかった場合
- 任意に納税猶予の適用を取りやめる場合
- 生産緑地の買取申し出を行った場合等
注記:農業経営基盤強化促進法に基づく利用権設定などを行った場合は、打切りにはならない場合があります。ただし「終身営農」となります。
注記:平成4年1月1日から、市街化区域においてこの特例が認められるのは、生産緑地地区に指定されている農地のみとなっています。
相続税納税猶予制度
1.概要
この特例は、相続人が農業を営んでいた被相続人から農地等を相続し、農業を継続する場合に限り、農地価格のうち農業投資価格を超える部分に対する相続税の納付を猶予する制度です。
2.要件
被相続人の要件
死亡の日まで農業を営んでいたと認められること。または、贈与税の納税猶予の特例を受けるために農地等を生前に一括贈与したこと。
相続人の要件
相続税の申告期限までに農業経営を開始し、その後も引き続き農業経営を行うこと。または、贈与税納税猶予の適用を受けた人で、農業者年金の経営移譲年金を受けるために、その推定相続人の一人に農地等を使用貸借による権利設定をして農業経営を移譲したこと。
3.免除について
次の相続、または農業後継者に対する生前一括贈与があるまでの間、その農地等で農業を継続した場合には、猶予税額の納付が免除されます。
市街化区域外の農地では、原則として20年間、その農地等で農業を継続した場合にも猶予されている税の納付は免除されていましたが、農地法の一部改正により平成21年12月15日以降の相続については、市街化区域外の農地についても20年要件が廃止され終身営農が義務付けられます。
なお、平成21年12月15日前に納税猶予の適用を受けていて、引き続きその全ての農地を自作する場合は、従来どおり20年間営農を継続することにより納税を免除されます。
贈与税納税猶予制度
1.概要
この特例は、農業を営んでいた個人が生前にその推定相続人の一人に農地等を一括して贈与し、受贈者が贈与を受けた農地等で農業経営を継続する場合に限り贈与税の納付を猶予する制度です。
2.要件
贈与者の要件
- 贈与する日まで引き続き3年以上農業を営んでいた者であること
受贈者の要件
- 贈与者の推定相続人の一人であること
- 年齢が18歳以上であること
- 贈与を受ける日までに引き続き3年以上の農業従事経験があること
- 受贈後、速やかに農業経営を行うこと
- 農業委員会の証明時において、認定農業者であること
(注)○認定農業者とは、次のいずれかに該当する方をいいます。
・農業経営基盤強化促進法第12条に基づく農業経営改善計画に係る認定を受けた農業経営者
(認定農業者)
・新たに農業経営を営もうとする青年等で農業経営基盤強化促進法第14条の4で規定する青年
等就農計画の認定を受けた方(認定就農者)
・農業経営基盤強化促進法第6条第1項に規定する基本構想に定められた同条第2項第2号に掲
げる事項を満たしている方
○贈与を受けた農地について、この特例を受ける場合には、その農地については相続時精算課
税の適用を受けることはできません。
3.免除について
贈与者もしくは受贈者の死亡のときまでその農地等で農業を継続した場合には、猶予されている贈与税の納付が免除されます。
ただし、贈与者死亡の場合は受贈者が贈与者から相続によって取得したものとみなされて、相続税が課税され、受贈者死亡の場合は受贈者の相続人に相続税が課税されることになります。
手続きの流れ
1.相続税及び贈与税の発生
納税猶予を受けようとお考えの方は、条件を満たしているか、税の申告期限に間に合うか等をご確認ください。
注記:詳しくはお近くの税務署もしくは農業委員会事務局にお問い合わせください。
2.農業委員会での手続きに必要なものの確認
農業委員会事務局の窓口へお越し下さい。
3.相続税及び贈与税の納税猶予に関する適格者証明願の提出
申請は窓口のみで受け付けております。郵送等では受け付けていません。添付書類と一緒に提出してください。
注記:申請は毎月13日締めとなります。
4.現地調査等の審査
対象となる農地の確認に、農業委員及び農業委員会事務局で伺います。
5.農業委員会の総会による議決
証明書を発行するには農業委員会総会(毎月25日前後開催)での議決が必要です。
6.証明書の発行
農業委員会総会の議決後(毎月30日前後)に、農業委員会事務局から連絡します。
7.税務署への申告
税の申告書類と一緒に「相続税(贈与税)の納税猶予に関する適格者証明」、「納税猶予の特例 農地の農地等該当証明」を添付して提出してください。
注記:税の申告書類については税務署にお問い合わせください。
注記:既に相続税・贈与税納税猶予制度を受けている方は、原則として、猶予期限(農業相続人の死亡の日)まで3年ごとに「引き続き農業経営を行っている旨の証明」を税務署に提出し続ける義務があります。
受付は随時しておりますが、現地調査等の審査を行うため、税の申告期限には余裕を持って手続きをしてください。添付書類は「引き続き農業経営を行っている旨の証明」申請書2部、添付書類は固定資産税の総合名寄せ(または課税明細書)1部です。また相続税・贈与税納税猶予適格者証明制度を受けられた後に分筆等を行なっている場合は、加えて土地登記簿謄本(全部事項証明書)と公図の写しなどを添付し、区画整理地内で変更があった場合は、仮換地証明書を添付して下さい。
ダウンロード
1-1.相続税適格者証明書(相続人が農業を営んでいた人から農地等を相続して農業を継続する場合)(エクセル:50KB)
2.贈与税適格者証明書(農業後継者が農業を営む人から農地等の生前一括贈与を受けて農業を継続する場合)(ワード:25KB)
3.引き続き農業経営を行っている旨の証明書(相続税や贈与税の申告期限から3年ごとに証明)(ワード:36KB)
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