施政方針
更新日:2025年2月27日
八潮市長 大山 忍
令和7年度の主な施策の運営方針につきまして、第5次八潮市総合計画基本構想の6つの分野別将来目標に沿いながら、順次、申し上げます。
初めに、第1点目の「教育文化・コミュニティ~学びとつながりを大切にするまち~」でございます。
「生涯にわたり楽しく学べる環境づくり」では、市民の生涯にわたる学習機会の提供をはじめ、地域でのボランティア活動や市民活動などにつながるよう、人材育成事業、情報の提供や相談体制の充実に、引き続き取り組んでまいります。
また、様々な市民活動の拠点であるやしお生涯楽習館について、広く市民の方に利用していただける施設となるよう、基本設計・実施設計を実施し、大規模改修に向けた取組を進めてまいります。
「次代を担う人づくり」では、GIGAスクール構想について、ICT機器を最大限活用し、教育内容の充実を図ってまいります。
また、子どもたちが安心して生活し、健やかに成長できるよう「八潮市みんなでいじめをなくすための条例」、いわゆる「いじめゼロ条例」に基づき、地域と一体となって取組を進めてまいります。
さらに、児童生徒の安全確保と教育環境の充実を図るため、学校施設・設備の改修を行うとともに、小学校体育館への空調設備の設置や、新設小学校の建設に向けた取組を進めてまいります。
加えて、適切な学校配置について具体的な検討を進めてまいります。学校給食につきましては、安全、安心な給食の提供を行うとともに、本市の学校給食の将来構想とする「八潮市学校給食ビジョン」に基づく新たな学校給食の実現に向けた取組を進めてまいります。
「心豊かな青少年を育む環境づくり」では、家庭・学校・地域等との連携を深め、青少年が豊かな情操や思いやりの心を育むことができるよう、様々な活動などを展開することにより、青少年育成事業を推進してまいります。
「社会の要請に応えた教育の環境づくり」では、社会的な課題や市民の要望に応じた社会教育活動の充実を図るとともに、親の学習講座や家庭教育学級等を開催し、家庭における教育力の向上を推進してまいります。
「人権を尊重する社会づくり」では、差別や偏見のない、安心して生活できるまちづくりを推進するため、人権教育及び人権啓発活動等に取り組んでまいります。
「平和な社会づくり」では、平和パネル展や平和施設見学会等を通して、平和意識の高揚を図ってまいります。
「個性あふれる豊かな市民文化づくり」では、市民が自主的に文化活動に参加できる機会を提供するとともに、文化活動団体の育成・支援、施設間の連携や活動団体との協働により、文化活動の振興に取り組んでまいります。
また、地域に伝わる文化財や歴史資料の保存と活用を図るため、資料館事業の充実や文化財の保護・支援に取り組んでまいります。
「ふれあいと連帯感にみちた地域社会づくり」では、町会・自治会などへの加入や参加を促すとともに、町会・自治会の活動拠点となるコミュニティ施設整備への助成などを行い、地域コミュニティの活性化に取り組んでまいります。
また、「八潮市多文化共生推進プラン」に基づき、外国人市民と日本人市民が交流できる機会を増やすなど、国籍や文化の違いを問わず、市民一人ひとりが多文化共生への理解を深め、共に歩む地域づくりに向け、取り組んでまいります。
「男女がともに育む社会づくり」では、「第4次八潮市男女共同参画プラン」に基づき、政策決定分野における女性の参画を促進するなど、男女共同参画社会の実現に向けて、各種施策を推進してまいります。
また、多様性を認め、尊重することで、誰もが安心して、自分らしく暮らせるダイバーシティ社会を推進してまいります。
次に、第2点目の「健康福祉・子育て~誰もがいきいきと暮らせるまち~」でございます。
「ともに支え合う、心豊かな健康づくり」では、令和7年度からスタートする「第3次八潮市健康づくり行動計画」に基づき、市民、関係団体、行政が一体となって、健康づくりを推進してまいります。
また、生活習慣病予防対策や各種がん検診、各種予防接種事業を適切に実施するほか、住み慣れた地域で自立した生活ができるよう、高齢者の保健事業と介護予防事業を一体的に実施し、市民の健康づくりを推進してまいります。
加えて、全ての妊婦や子育て家庭が安心して出産・子育てができるよう支援を強化するため、産後ケア事業等の取組を進めてまいります。
「いのちを守る医療体制づくり」では、地域の医療機関との連携・協力による、かかりつけ医の普及や、地域医療体制づくりに引き続き取り組んでまいります。
また、休日診療所を安定的かつ円滑に運営するとともに、近隣自治体や医療機関と連携・協力し、救急医療体制を充実してまいります。
「誰もが安心して生活できる社会づくり」では、国民健康保険における特定健康診査をはじめとする各種保健事業や、医療費の適正化などを進めるとともに、埼玉県と連携を図りながら国民健康保険の財政運営の健全化に取り組んでまいります。
「スポーツ・レクリエーションに親しめる環境づくり」では、「八潮市スポーツ推進計画」に基づき、だれもがスポーツを楽しめる機会を提供するため、スポーツ教室の充実を図るとともに、ジュニアアスリートを含めたトップアスリートの発掘・育成や、新たな指導者の発掘・支援を充実してまいります。
また、スポーツ団体等との連携・協力による、各種スポーツ大会等の開催に取り組んでまいります。
さらに、エイトアリーナ増築棟のオープンなど、スポーツ施設の整備・充実を図るとともに、既存施設の適切な維持管理を行い、『だれもが「する」「みる」「まなぶ」「ささえる」スポーツやしお』の実現に向けた取組を進めてまいります。
「互いに支え合い誰もが安心して暮らせる社会づくり」では、「第3期八潮市地域福祉計画」に基づき、市民や地域活動団体等と協働し、自助・互助・共助・公助のそれぞれの役割分担のもとで、地域福祉を推進してまいります。
また、生活に困窮する方の経済的自立と生活意欲の増進を図るため、一人ひとりの状況に応じた各種支援を推進してまいります。
「安心して暮らせ活躍できる長寿社会づくり」では、「第9期八潮市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」に基づき、高齢者保健福祉施策を推進するとともに、介護保険事業を適正かつ円滑に実施してまいります。
「障がい者の安心を支える社会づくり」では、「第8次八潮市障がい者行動計画・第7期八潮市障がい福祉計画」に基づき、障がいのある人の日常生活及び社会生活の総合的な支援の充実を図ってまいります。
「全ての子どもの幸せづくり」では、「こども家庭センター」において、全ての妊産婦、子育て世帯、こどもに対し、母子保健・児童福祉の一体的な相談支援を進めてまいります。
また、古新田保育所再整備工事を実施し、待機児童の解消を図るなど、「こどもまんなか社会」を実現するための取組を進めるとともに、令和7年度からスタートする「八潮市こども計画」に基づき、こども施策を総合的に推進してまいります。
次に、第3点目の「防災・防犯・消防・救急~誰もが安全で安心して暮らせるまち~」でございます。
「災害に強いまちづくり」では、「八潮市地域防災計画」及び「八潮市国土強靱化地域計画」に基づき、防災・減災対策に向けた取組の充実を図ってまいります。
また、地域防災力の向上を図るため、地域の特性に応じた「地区防災計画」の作成を支援するとともに、担い手である自主防災組織との連携を強化し、活動の促進を図ってまいります。
「危機に備えた体制づくり」では、市民の生命、財産、さらには市民生活に重大な被害を及ぼす事態に、迅速かつ的確に対処するため、関係機関と連携を図り、危機管理体制を充実してまいります。
「犯罪のない安全で安心なまちづくり」では、「八潮市防犯推進計画」に基づき、自主防犯組織の育成及び防犯灯などの整備を促進し、犯罪抑止力の強化並びに犯罪の防止に取り組んでまいります。
「市民を守るまちづくり」では、市民が安心して暮らせるよう、草加八潮消防組合と連携し、広域的な消防・救急体制の強化を促進するとともに、消防団を中核とした地域消防力の向上を支援してまいります。
「交通事故のない安全で安心なまちづくり」では、関係機関・団体と連携・協力し、「八潮市自転車の安全な利用の促進に関する条例」に基づく自転車の交通事故防止対策をはじめとする安全対策を総合的に実施し、交通安全意識の高揚を図るとともに交通環境の整備を推進してまいります。
「安全・安心で豊かな消費生活づくり」では、多様化・複雑化する消費生活に関するトラブルの相談体制の充実を図るとともに、消費者被害を未然に防ぐため、関係機関との連携をさらに深め、積極的な啓発活動を実施してまいります。
次に、第4点目の「産業経済・観光~地域の特性を活かしたにぎわいと活力のあるまち~」でございます。
「環境にやさしい魅力ある都市型農業づくり」では、「第2次八潮市都市農業振興基本計画」に基づき、担い手となる後継者の育成、八潮産野菜のブランド化、農地の有効利用の推進、農業のスマート化を進め、農の活力が実感できる都市型農業を推進してまいります。
また、「農・商・工」連携事業や6次産業化等を推進するとともに、「やしお八つの野菜」のイメージアップを図り、新たな需要の拡大や販路の開拓を促進してまいります。
「魅力あふれる商業づくり」では、市内商業の活性化を図るため、特色ある個店づくりや、駅周辺を中心とする地域における魅力ある商業拠点の形成に向けた支援に取り組んでまいります。
「活力ある工業づくり」では、中小企業の安定的な経営や、経営力の向上のほか、事業承継に向けた支援に取り組んでまいります。
また、市内の優れた製品等について、イベントへの参加や市のホームページなどを通じ、市内外に積極的に情報発信してまいります。
「水と花にふれあう観光づくり」では、関係団体との連携により「中川やしおフラワーパーク」や「水辺の楽校」の維持管理を図るとともに、観光事業の充実に取り組んでまいります。
また、様々な手法を活用し、積極的に観光情報を発信してまいります。
「いきいきと働ける就業環境づくり」では、引き続き若年者就職相談を実施するとともに、「八潮市ふるさとハローワーク」との連携をさらに深め、関係機関と連携しつつ、一人ひとりに応じた就労促進に取り組んでまいります。
次に、第5点目の「都市基盤・環境~快適でやすらぎと潤いのあるまち~」でございます。
「自然と調和した都市空間づくり」では、都市整備の上位計画である「八潮市都市計画マスタープラン」を具体化したまちづくりに係る関連計画として、立地適正化計画の策定に取り組んでまいります。
また、市の北部地域では、(仮称)外環八潮パーキングエリア及び(仮称)外環八潮スマートインターチェンジの早期整備に向け、地元住民の方々や関係機関などと更なる連携強化を図るとともに、(仮称)道の駅やしおの整備に向けた課題整理や、北部地区のまちづくりに共に取り組むパートナー企業等と協議・調整を進めながら、北部拠点にふさわしいまちづくりを推進してまいります。
「快適で住みやすい市街地づくり」では、各土地区画整理事業を計画的かつ効率的に推進するとともに、八潮南部西地区の施行者である埼玉県への事業支援、協力を継続してまいります。
「快適で便利な道路・交通網づくり」では、安全で誰もが安心して利用できる道路を実現するため、幹線道路、生活道路等の道路特性に応じた整備を推進するとともに、事故を未然に防ぐ体制を構築し、適切な維持管理を行ってまいります。
また、誰もが安全で快適に利用できる利便性の高い地域公共交通網の形成を目指して「八潮市地域公共交通計画」の見直しを行い、関係機関や関係者と連携し総合的な整備を促進してまいります。
「水と緑ゆたかな都市景観づくり」では、「八潮市まちの景観と空家等対策計画」に基づき、関係団体と連携し、適切な管理が行われていない空家等への対策を推進してまいります。
また、公園・緑地関係としては、利用者が安全・安心かつ快適に利用できるよう適正な維持管理を行うとともに、長寿命化計画に基づき公園遊具の修繕及び改修に取り組んでまいります。
さらに、貴重な水辺や緑地の保全、新たな緑の創出を目指して「八潮市緑の基本計画」の見直しを行ってまいります。
「安全な水を供給する体制づくり」では、安全で安心な水道水を安定的に供給するため、「八潮市水道事業ビジョン」に基づき、「安全」、「強靭」、「持続」の観点を基本に、浄配水場施設の強化をはじめ、基幹管路などの水道管の耐震化を推進するとともに、引き続き、健全な公営企業経営に取り組んでまいります。
「治水と水循環によるまちづくり」では、河川改修の促進及び排水施設等の整備に取り組むとともに、適切な維持管理を行ってまいります。
また、水質汚濁を防止するため、公共下水道の整備を計画的に行うとともに、水洗化を促進し、安定した下水道経営を推進してまいります。
「安全で良質な住環境づくり」では、市営住宅の施設維持に必要となる保守点検等を計画的に行い、安全で安心な居住環境を維持してまいります。
また、「八潮市建築物耐震改修促進計画」に基づき、耐震診断及び耐震改修による木造住宅の耐震化やブロック塀等の倒壊防止対策を促進してまいります。
「環境にやさしいまちづくり」では、環境施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、「第2次八潮市環境基本計画」の見直しを行い、「八潮市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)」等を内包する「第3次八潮市環境基本計画」を策定してまいります。
また、市民、事業者等との協働により、環境への負荷の少ない持続可能な社会の構築に向け、水と豊かな緑に囲まれた地域の自然を保全するとともに、地球温暖化防止対策を推進してまいります。
「清潔できれいなまちづくり」では、循環型社会の構築に向けて、ごみの分別収集の徹底を図り、さらなる減量化、資源化に取り組むとともに、ゴミゼロ運動をはじめとする美化活動等を展開してまいります。
次に、第6点目の「新公共経営~協働で経営する自主・自律のまち~」でございます。
「市民との協働によるまちづくり」では、「八潮市自治基本条例」に基づき、市民と行政が共に力を合わせ、まちづくりの課題解決に向けた取組を進めてまいります。
「市民に開かれたまちづくり」では、広報やしお、ホームページ、メール配信、SNS等の様々な媒体を活用し、市政情報を広く市民に提供してまいります。
また、本市のイメージアップを図るため、シティセールスを継続的・効果的に実施してまいります。
「健全で計画的・効率的な行政の体制づくり」では、総合計画に基づく事業を計画的に推進するため、行政評価制度を活用し、より効率的かつ効果的な行政運営を図っていくとともに、引き続き「第6次八潮市総合計画」の策定に取り組んでまいります。
また、八潮市デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画に基づき、デジタル技術やデータ活用により、市民サービスの更なる向上と、業務の効率化に引き続き取り組んでまいります。
さらに、「八潮市人材育成基本方針」に基づき、職員の公共の責務を担うことに対する意識や公務を遂行するために必要な能力の向上を引き続き図ってまいります。
加えて、健全で柔軟な財政運営を推進するため、市税の適正な課税及び公正・公平な徴収を行い、自主財源の確保に取り組んでまいります。
「公共施設資産の管理体制づくり」では、「八潮市公共施設マネジメントアクションプラン」及び「八潮市公共施設マネジメントに関する民間提案制度運用指針」に基づき、市有財産の有効活用を進めるとともに、公共施設の適正管理に取り組んでまいります。
「広域的な連携体制づくり」では、埼玉県東南部都市連絡調整会議を通じて、近隣5市1町の連携を強化し、広域的な行政課題の調査研究を行ってまいります。
以上、第5次八潮市総合計画基本構想の6つの分野別将来目標に沿って、令和7年度の主な施策を申し上げましたが、「共生・協働」「安全・安心」のまちづくりの基本理念に基づき、各施策を進め、「住みやすさナンバー1のまち 八潮」及び「先端『健康』都市・八潮」の実現を目指してまいります。
結びに、本市の発展のため、市民の皆様、市議会の皆様のより一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げ、施政方針といたします。
(令和7年第1回八潮市議会定例会での市長施政方針から抜粋したものです)
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