蚊を介する感染症の予防対策について
更新日:2023年5月17日
感染症流行地域へ渡航する場合には万全な対策を
これから蚊が発生する季節を迎えます。
ウイルスなどの病原体に感染した人や動物の血を吸った蚊に刺されることで、さまざまな感染症にかかる恐れがあります。
蚊に刺されないようにしましょう。
- 海外へ渡航する際には、渡航前に現地での流行状況を把握しましょう。
- 屋外の蚊が多くいる場所で活動する場合は、長袖シャツ、長ズボンを着用し、裸足のサンダル履きを避け、できるだけ肌を露出しないようにしましょう。
- 薄手の素材の衣服の上からや、足首、首筋などの小さな露出面でも刺されることがあるので、虫よけ剤などを使用しましょう。
- 網戸や扉の開閉をできるだけ減らし、蚊取り線香を昼間から使用するなど、できるだけ家の中への蚊の侵入を防ぎましょう。
- もし、蚊が家の中に侵入した場合は、ハエ叩きやスプレータイプの殺虫剤などで直ちに駆除しましょう。
注記:蚊のライフサイクルは、例えばヒトスジシマカの場合、産卵後、数日から1週間で幼虫となり、その後、10日ほどで成虫になります。外気温にもよりますが、雌成虫の寿命は30~40日となっています。
また、ヒトスジシマカは、日中、屋外での活動性が高く、活動範囲は50~100メートル程度です。
住まいの周囲に、蚊を増やさないようにしましょう。
- 蚊は、植木鉢の受け皿やプラスチック容器、廃タイヤなどに溜まった雨水など小さな水たまりで発生するので、日頃から住まいの周囲の清掃に心がけましょう。
- 1週間に1度程度は、雨水が溜まった容器を逆さにするなど住まいの周囲の水たまりを無くすようにしましょう。
注記:国内の活動時期は概ね5月中旬~10月下旬頃までのため、これらの対策は10月下旬頃までを目安に行いましょう。
【参考】ジカウイルス感染症について
- ジカウイルスを持った蚊がヒトを吸血することで感染します。
・ヤブカ属のネッタイシマカやヒトスジシマカが、ウイルスを媒介することが確認されています。ネッタイシマカは、日本には常在していませんが、ヒトスジシマカは、日本のほとんどの地域で見られます。
・基本的に、感染したヒトから他のヒトに直接感染するような病気ではありませんが、輸血や性行為によって感染する場合もあります。 - 感染しても全員が発症するわけではなく、症状がないか、症状が軽いため気付かないこともあります。
・海外の流行地域において、蚊に刺されてから数日後に、軽度の発熱、発疹、結膜炎、関節痛、筋肉痛、倦怠感、頭痛等の症状が見られた場合は、医療機関を受診してください。 - ジカウイルス感染症は胎児の小頭症の原因となっているとの報告があります。
・妊婦や妊娠の可能性がある人の流行地域への渡航は可能な限り控えた方がよいとされています。
・やむを得ず海外の流行地域へ出かける際は、できるだけ肌を露出せず、虫よけ剤を使用するなど、蚊に刺されないように注意してください。
厚生労働省「ジカウイルス感染症に関するQ&Aについて」(外部サイト)
国立感染症研究所「ジカウイルス感染症のリスクアセスメント」(外部サイト)
厚生労働省検疫所 FORTH「渡航時におけるジカウイルス感染症への注意について」(外部サイト)
【参考】デング熱について
- デング熱は、世界中で100カ国以上の国で発生し、毎年約1億人が発症しているとみられています。
・蚊を介した感染症の流行地域(アジア、中南米、アフリカなど熱帯・亜熱帯地域)を海外旅行等で訪れるときは、蚊に刺されないように十分に注意しましょう。 - 蚊に刺されても、必ずしもデング熱に感染するわけではありません。
また、感染しても症状がでないことも多くみられ、さらに重症化する場合はまれです。
・蚊に刺されてから3~7日程度で、高熱のほか頭痛、目の痛み、関節痛等の症状が見られればデング熱の可能性もあるため、早めに医療機関を受診してください。 - デング熱は人から人へは感染しません。
・デング熱の原因となるデングウイルスは、デング熱に感染した人の血を吸った蚊(日本ではヒトスジシマカ)の体内で増え、その蚊がまた他の人の血を吸うことで感染が広がります。