埋蔵文化財の取り扱い
更新日:2024年10月6日
埋蔵文化財とは
埋蔵文化財とは、文化財保護法(以下、法)では「土地に埋蔵されている文化財」とし、その土地を「埋蔵文化財包蔵地」と規定しています。例えば、土地に埋まっている土器や石器のような昔の人の使用していた物(遺物)や昔の人が生活していた集落の跡や貝塚、古墳、城跡など(『遺構』・『遺跡』)を埋蔵文化財と呼び、この埋蔵文化財が存在していると周知されている土地を埋蔵文化財包蔵地(まいぞうぶんかざいほうぞうち)と呼びます。八潮市内には8箇所の埋蔵文化財包蔵地があります。この埋蔵文化財は、我が国の歴史を知る上で大変貴重なもので、一度壊してしまうと元に戻すことのできない貴重な国民的財産です。埋蔵文化財を守るためにご理解とご協力をお願いします。
所在地 | 名称 | 時代 | 遺構・出土品 | |
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1 | 八潮市大字八條字入谷、和之村、堤外、白鳥 | 八條遺跡 | 古墳・平安・南北朝・戦国 | 古墳、平安集落跡、中世寺社・氏族の館跡 須恵器・土師器・板碑の出土地 |
2 | 八潮市大字八條字堤外 | 八條輪中遺跡 | 戦国 | 中世寺社・氏族の館・集落跡 |
3 | 八潮市緑町四丁目11-2番地外 | 柳之宮遺跡 | 平安 | 竪杵出土地 |
4 | 八潮市中央三丁目 | 鶏鳩塚跡 | 戦国 | 中世祭祀塚跡 |
5 | 八潮市中央三丁目 | 幸田氏墓域 | 江戸 | 旗本幸田氏葬地 |
6 | 八潮市大字西袋・柳之宮 | 氷川神社遺跡 | 古墳 | 五領式土器散布地 |
7 | 八潮市大字西袋625 | 西袋陣屋遺跡 | 戦国 | 中世曾根氏館跡、近世初期陣屋跡 |
8 | 八潮市大字八條字中島3286-1 | 中島遺跡 | 戦国・江戸 | 近世末から近代初頭の道路跡 中世~近世の陶磁器片出土地 |
埋蔵文化財包蔵地の確認
土木工事や建築工事などで掘削作業などを伴う場合や開発を計画される際に、その工事予定箇所が埋蔵文化財包蔵地に該当するかどうか、次のいずれかでご確認ください。なお、開発などを実施する場所が埋蔵文化財包蔵地内に含まれている場合には、試掘調査を実施して最終的に遺跡の所在の有無を確認します。
1) 市教育委員会文化財保護課に直接、あるいはファクスでお問い合わせください。
(照会地番、照会地のわかる地図をご用意ください。なお、電話での問い合わせは、記録が残りませんので、正式な対応とはなりませんことをご了承ください。)
八潮市教育委員会文化財保護課
八潮市南後谷763-50(八潮市立資料館) FAX:048-997-8998
注記:月曜日および祝日の翌日は休館となっています(臨時休館あり)。ファクスを送信していただければ翌開館日に回答させていただきます。
2)埼玉県の埋蔵文化財担当ページ内「埋蔵文化財インフォメーションシステム」(外部サイト)より確認することもできます
最新の情報については、市文化財保護課で確認してください。また、開発地が埋蔵文化財包蔵地内に含まれている場合、または、事前協議が必要となる開発の場合は、必ず市文化財保護課へご連絡ください。
- 埋蔵文化財包蔵地は変更される可能性があります。「埋蔵文化財インフォメーションシステム」は最新の情報でない場合がありますので、権利や義務および取引の資料とする場合は、市文化財保護課で確認してください。
- 建築工事の場合、確認申請前に埋蔵文化財の所在の有無を必ずご確認ください。
- このほか、国・県・市指定の記念物(史跡、名勝、天然記念物)の指定地や保存地域では、法や条例などに基づき現状を変更する行為を行う際に申請などが必要な場合がありますので、併せてご確認ください。
埋蔵文化財包蔵地を開発する場合の対応
文化財保護法では、埋蔵文化財包蔵地の範囲内で工事に伴う掘削作業を行う場合には、
民間施工の場合:法93条第1項に基づく届出を工事着手の60日前まで
国や地方公共団体の場合:法94条第1項に基づく通知を計画策定の段階
に、それぞれ市教育委員会経由で県教育委員会へ書類を提出することが義務付けられています。埋蔵文化財包蔵地で工事を行う場合は、計画段階で文化財保護課へご連絡ください。
書類提出後、埋蔵文化財への影響を考慮し、次のような指示が埼玉県教育委員会から出されます。
1)発掘調査(試掘調査により遺構等が確認され、計画変更が不可能な場合)
「発掘調査を行う場合」を参照し、工事実施前に発掘調査を行ってください。
2)工事立会(区域が狭小で通常の発掘調査が実施できない場合、十分な試掘調査が実施できず、埋蔵文化財の所在状況が不明な点がある場合、4)の現状保存の場合)
基礎掘削時等に市教育委員会の担当職員が立会います。この際、遺構・遺物等を発見した場合は、その記録をとるなどの措置を取らせていただきます。基礎工事の日程等が決まりましたら文化財保護課へご連絡ください。
3)慎重工事(試掘調査の結果、遺構等が開発部分から確認されなかった場合)
埋蔵文化財に影響を与えないよう、慎重に工事を実施してください。 工事中に遺構・遺物を発見した場合は、文化財保護課へご連絡ください。
4)現状保存(試掘調査により遺構等が確認され、保存が可能な場合)
開発計画地に埋蔵文化財が所在しても、30センチメートル以上の保護層を設けるなど、埋蔵文化財に影響が及ばないよう事前協議により工事計画を修正し、『現状保存』を図ります。
この場合、2)の『工事立会』を実施します。
発掘調査を行う場合
発掘調査は、事業者が市教育委員会等に依頼して実施することになります。文化財保護法の規定による諸手続きの期間や発掘調査期間などの日数がかかり工事計画に影響を与える場合もありますので、ご注意くだい。
1)調査期間等
調査期間は、計画から埋め戻しまでの現場作業だけでも日数がかかります。その後、出土遺物の整理作業や報告書作成も発掘調査の一連の作業となります。個々の遺跡の状況に応じて調査計画を立てることにより、具体的な期間・日程・予算などが決まってきます。
なお、費用の積算は、『埼玉県埋蔵文化財発掘調査等取扱い基準』に基づき、『埼玉県発掘調査積算シュミレーション』により作成します。
2)調査経費
発掘調査に要する経費は、原則として遺跡の現況を変容させる者(工事の場合は工事主体者)が負担することになります。市教育委員会等の発掘主体者に発掘調査を依頼した場合は、この依頼者が発掘調査に要する費用の全額を負担することになります。
なお、個人住宅等の(営利を伴わない開発の)場合には、補助制度がありますので、事前にご相談ください。
3)出土した文化財
出土した埋蔵文化財の取り扱いについては、遺失物法第13条により拾得物として取り扱われ、文化財として認定された後、県に帰属します。
工事中に新しく埋蔵文化財を発見した場合
土木工事等の掘削作業中に新しく埋蔵文化財(土器や石器)を発見した場合には、現状を変更することなく、
民間施工の場合:法96条第1項に基づく届出
国や地方公共団体の場合:法97条第1項に基づく通知
を、それぞれ市教育委員会経由で県教育委員会へ提出することが義務付けられています。
また、発見された埋蔵文化財の取扱いについては、遺失物法第13条により拾得物として取り扱われ、文化財として認定された後、県に帰属します。