消費者啓発参考情報「くらしの110番」
更新日:2024年12月25日
埼玉県消費生活支援センターでは、消費者被害の未然防止・拡大防止を効果的に呼びかけるため、消費者啓発参考情報「くらしの110番」を配信しています。
まだ施術していない分があるのに、美容医療クリニックが倒産した
事例1
1年前、クリニックで医療脱毛の契約をした。施術回数は全10回で代金は35万円、クレジットカードの翌月一括払いで決済した。先日、クリニックが倒産したが、未施術分が6回ある。返金してほしい。
事例2
半年前、8回の施術で代金約30万円の医療脱毛の契約をし、ローンで分割払いをしていたが、完済する前にそのクリニックが倒産した。しかし、予約が取れず、施術はまだ2回しか受けていない。残りの支払いを止めたい。
消費者へのアドバイス
医療脱毛は、長期間で高額な契約となる場合が多く、数回の施術代金を一括で前払いしたり、分割払いをするケースが見られます。
先日、医療脱毛クリニックを運営する事業者が破産手続き開始決定を受け、クリニックと契約中の消費者から、前払いした未施術分の代金の返金を求めたり、分割払いの支払いを止めたいとする相談が多く寄せられています。
事業者が破産手続き開始決定を受けると、事業者の財産は破産管財人によって換価(現金化)され、公平に債権者に清算配当されます。
消費者は「債権者届」を破産管財人に提出し、清算配当を待ちます。ただし、優先的な支払いを終えてから行われるため、配当はほとんど期待できないようです。また、事業者から個々の消費者への弁済は禁止されていますので、消費者は個別で返金や代替商品などを受け取ることはできません。
信販会社やクレジットカードでの支払いの場合、消費者と当該信販会社又はクレジットカード会社との「立替払契約」が成立しています。未施術分の既払い代金の返金や、今後の支払いの停止を求める場合は、それぞれの契約先に相談することになります。また、クリニックで施術が受けられなくても信販会社やクレジットカード会社との契約は継続しており、勝手に支払いを止めると「延滞」「滞納」の扱いになる恐れがあります
- 先払いでの契約は慎重にするようにしましょう。施術を受ける都度支払いをするなどの方法も検討しましょう。