飼い主のいない猫を減らすためには
更新日:2023年6月21日
飼い主のいない猫へのエサやりについて
飼い主のいない猫について「かわいそうだから」、「飢え死にさせたくない」といった理由で猫の管理やフン尿などの対策を徹底しないままエサを与え続けると、猫がたくさん集まり、子猫を出産してしまうほか、近隣トラブルに発展する場合があります。
エサやりを止めるだけでは解決になりません
地域の環境を保つために、「猫へのエサやりを止めさせてほしい」という意見を多数いただきます。しかし、飼い主のいない猫にエサやりを禁止すると、飢えた猫がごみをあさる、エサをめぐる猫同士のけんかにより騒音などの問題が発生し、地域の環境が悪化する可能性があります。
飼い主のいない猫は「地域猫」として見守りましょう
飼い主のいない猫による問題は、「猫を愛護するか否か」ではなく、「地域の環境問題」として捉え、解決していくことが大切です。
飼い主のいない猫と地域猫の違い
飼い主のいない猫とは、地域住民による認知や管理がされておらず、地域を放浪している猫のことです。
地域猫とは、飼い主のいない猫のうち、地域住民の認知や理解のもと、ルールを設けたエサやり、フン尿の始末、避妊去勢手術などにより適正管理された地域住民と共生する猫のことです。
地域猫活動
地域猫活動とは、飼い主のいない猫を、地域猫として適正に管理し、猫の命を一代限りで終わらせることにより徐々に数を減らしていく活動です。
路上などの適切でない方法や場所でのエサやりにより事故などで亡くなってしまう不幸な猫を減らすことは、動物愛護につながります。
また、猫がエサを求めてごみをあさる、けんかによる騒音の発生、フン尿被害などを軽減し、地域の環境を保つことにつながります。
猫を大事にする方も、地域の環境を大事にする方も、「猫を減らしたい」という気持ちは同じです。お互いの意見を尊重し、協同で問題解決を目指すことが大切です。
地域猫活動リーフレット表
地域猫活動リーフレット裏
ボランティアと地域住民の認識を共有しましょう
地域猫活動を行う方へ
地域猫活動を行うためには地域住民の理解を得ることが大切です。活動内容を周知し、正しい地域猫活動を理解してもらう必要があります。周知せずに地域猫活動を行うと、地域猫と飼い主のいない猫の違いが分からない方は、「むやみにエサやりをしている人」と誤解し、トラブルに発展してしまいます。そのことから、ボランティアは孤立してしまいます。
地域住民の方へ
地域住民の方々は、猫のボランティアというだけで一方的に否定せず、ボランティアの地域猫活動についてお話を聞いてみてください。正しい地域猫活動をしている方々であれば、丁寧に説明していただけるはずです。
こうした双方の歩み寄りにより、地域猫活動は成り立ちます。
地域猫として見守るためのルールを確立しましょう
生まれさせない
すべての飼い主のいない猫に去勢不妊手術を実施することにより、これ以上繁殖しないようにします。
集めない
置きエサは厳禁です。長時間置きエサをすると、臭いにつられてたくさんの猫が集まってしまい、深刻なフン尿被害に繋がります。また、飼い主のいない猫がいても、発見することができず、猫が増える原因になります。
エサを与えるときは、次のことを守りましょう。
(1)去勢不妊手術済(または手術予定)の猫だけに与えましょう
(2)毎日同じ時間に与えましょう
(3)必要最低限の量を与えましょう
(4)対象の猫が食べた後はすぐに皿を片付け、周囲を清掃しましょう
猫は3から5箇所のエサ場を持っているため、時間に間に合わなかった猫にはエサを与えないでください。また、毎日同じ時間にエサを与えれば、猫はエサやりの時間に間に合うよう調整できます。
新来の猫は、元々いた場所にエサ場があるため、エサは与えないでください。
フン尿被害対策
飼い主のいない猫の苦情として、フン尿による被害が挙げられます。完全な対策はありませんが、猫トイレ(プランターに園芸用の土を入れ、猫のフンとまたたびを混ぜたもの)を設置することで被害の軽減が期待できます。
設置場所は他人の迷惑にならない目立たない場所に、人が猫トイレと認識できるよう設置してください。
また、設置する場合は、トラブルを避けるために地域住民の方々の理解を得てください。
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